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2013年11月23日土曜日

日本の登山界はもうグチャグチャ 三浦雄一郎 イモト 野口健 竹内洋岳




メンズサイゾー メンズサイゾー 2013年11月17日11時00分
エベレストは無理!? 『イッテQ!』イモトアヤコの登山企画に賛否
 バラエティー番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)でヒマラヤのマナスル(8163メートル)登頂に成功したお笑いタレントのイモトアヤコ(27)。番組内では、当初から「世界最高峰のエベレスト(8848メートル)登頂」が目的として掲げられていたが、8000メートル級を制覇したことで現実味が強まってきた。放送中でもディレクターに挑発されたイモトが「じゃあエベレスト登るわ!」と宣言しており、もはや既定路線のようだ。

 だが、視聴者や業界人から過激すぎる内容を心配する意見が上がっており、登山業界の一部からの反発もあるなど逆風が吹いている。さらには一部メディアが「エベレスト挑戦に暗雲か」と報じるなど、企画の行方は微妙なラインに立たされているようだ。


 これまでイモトは、キリマンジャロやモンブラン、マッターホルンなど世界の名だたる山々に挑戦しており、その気力と体力はアルピニスト顔負け。マナスルの登頂では、気圧の関係で痛みだした前歯を街に戻って抜いてから頂上を目指すという根性を見せつけた。このマナスルは、過去に挑戦した297人の登山家のうち53人(08年までの記録)が命を落としているという、死亡率17.85%の「死の山」として知られており、昨年9月にも雪崩によって12名の死者を出す大惨事が起きている。それを制覇したイモトであれば、エベレスト登頂が成功する可能性は十分にあるように思える。


 ネット上でも「絶対にエベレスト登ってほしい」「イモトなら絶対いける」と期待の声が高まっているが、その一方で「バラエティーでやる内容じゃない」「命の危険があることはやめてほしい」「万一、何かあったらどうするんだ」といった批判も起きている。


「昨今、業界内でさまざまな倫理問題があったこともあり『このまま続けさせるべきなのか?』という疑問は局内でも上がっている。しかし、イモトの登山企画は毎回高視聴率を叩きだし、マナスル登頂では20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。その週のバラエティー部門で断トツのトップ、総合部門でも4位に入りました。全体的に視聴率が落ち込んでいる中で、このドル箱コンテンツを終わらせるという選択肢はテレビマンなら正直あり得ません。スポンサー受けも非常にいいですからね。高視聴率に沸いた局内でも『次はエベレストだ!』という声が高まり、もう後戻りできない雰囲気です。ですが、マナスルは運よく登頂できたものの、エベレストはどうなるか分からない。視聴率優先の判断が、大きなアクシデントにつながらなければいいのですが…」(制作会社関係者)


 また、一部の登山業界からもイモトの登山企画に対して「カネにものをいわせている」などといった批判が起きているようだ。


「プロの登山家にしてみれば、イモトの存在は面白くないに決まっている。イモトのマナスル登頂は登山をサポートする『シェルパ』が13人もつき、業界で名の知られた一流のガイドや医師らが同行するなど、あまりにも豪華な陣容でした。費用も数千万から億のお金が使われた。もちろん、事故を防ぐためには当然の対策で一般的なプロの登山家とは別物なのですが、この番組のせいで、登頂に失敗した登山家が『イモトでも登れたのに』などと言われたら立つ瀬がない。『素人の芸人でも登れる』となれば、登山家たちのスポンサー集めにも悪影響が出る。登山家たちは命を懸けてやっているのに、テレビ局が大金を注ぎ込んでお遊びをやられたらたまったものじゃないですよ。今のような演出で企画を放送するのであれば、ちゃんとフェアに登ってほしいという声が出るのも無理はない」(登山関係者)


 バラエティーの範疇を完全に超えた難しい問題ではある。実際、登山家にとってイモトは気になる存在らしく、彼女がマッターホルンを登頂した際に下山にヘリを使ったことに対し、アルピニストの野口健氏が「えっ、ヘリを使っていましたか(笑)。遭難、または体調不良がなければ通常では考えにくい選択肢」と一般ユーザーの質問に応える形で苦言を呈したこともあった。


 何より重要な安全面の不安はもちろん、プロ登山家のメンツを潰しているという意味でも、企画続行が正しい判断か微妙になっているイモトの登山。今後、日テレがどのような判断を下すのか注目したい。

(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)

▲:三浦雄一郎の「大名登山」を批判できなかったくせに、イモトの登山を批判して「ちゃんとフェアに登ってほしい」といまさら言ってる「登山関係者」は、バカ。


●週刊文春 2013年6月13日号
三浦雄一郎80歳エベレスト登頂は本当に快挙なのか
(前略)
 河野さんが所属していた日本勤労者山岳連盟の野口信彦元事務局長が語る。
「河野さんは、少人数の登山にこだわり、スポンサーをつけない自由な登山活動をしていました。私たち連盟に所属している登山家たちもみなコツコツ仕事をしてお金を貯め、少ない資金で高峰登山に挑んでいます。やっかみになるかもしれませんが、三浦さんのような大勢のスタッフに囲まれた”大名登山”とはほど遠いものです」
 確かに、公表された三浦氏の遠征隊リストを見ると、錚々たる布陣だ。アタック隊が三浦親子のほか日本人二名、アタック隊サポートメンバーが日本人二名、ベースキャンプサポートメンバーがドクターなど日本人三名。さらに、コック五名を含めたシェルパが十八名で、計二十七名の大部隊だ。
 無酸素登山の専門家である小西浩文氏が解説する。
「今回の仕事を請け負ったアタック隊のガイド役、カメラマン役の日本人二人は実績のあるクライマーです。シェルパたちも、全員のエペレスト登頂回数を足せば数十回を超えています。まさに最強のサポート軍団と言えるでしょう。今回、報道では登頂者として三浦さん親子の名前が出て
いますが、アタック隊の二人も登頂していると思われます。また、登頂者にはシェルパの名前が出ていませんが、通常ならば数名のシェルパも頂上まで同行していると思います。ほかに、ベースキャンプまでの荷揚げのために、ポーター数百名が雇われるものです」
 シェルパたちの主な仕事は、一本四キロほどある酸素ボンベや装備品、食料、燃料などの運搬、アイスフオールと呼ばれる傾斜のある氷河に梯子をかけて道を作ることだという。
 まさに人海戦術で三浦氏を頂上に立たせるプロジェクトだったことがわかる。
「もちろん、八十歳で登頂された三浦さんの生命力は超人的であり、偉業と言えます。ただ、強力な助っ人であるシェルパたちの協力があったからこそ、三浦さんは登頂をなしえたのです。生まれた時から富士山より高いところに住んでいる彼らと私たちとでは、体の構造がまったく違うので
す」(同前)
 小西氏は、河野さんの遭難についてもこう指摘する。
「河野さんは疲労凍死だったと報じられています。もしそうならば、シェルパを七、八人雇い、酸素ボンべをたくさん持っていくことで遭難をまぬがれた可能性はあります」
 では、三浦氏の登頂費用はいくらだったのか。
 三浦氏の娘の恵美里氏はこう説明する。
「概算で約一億五千万円です。うち約一億円がスポンサー、約一千八百万円がサポーターの々からの支援金です。残りの約三千万円は、三浦個人が講演料などで得た収入でまかないまし
た。内訳は、今回のエベレスト登頂に要した費用が約三千万円です。エベレストの入山料七百万円のほか、酸素ボンベが五百万~六百万円、そして現地のシェルパの報酬、スタッフの保険料、航空券代などを合わせた額です。日本人メンバー九名の人件費については個人情報に関わることなので明かせません。映像を収める費用、通信費は、別途約三千万円かかりました。残りの費用は、今回の挑戦までに必要だった三年間の準備に費やしました。準備登山として、ヒマラヤの六〇〇〇メートル級の山に二度登った費用、国内でのトレーニング費用などです。なお、山頂にはシェルパ十名が同行しました」
 恵美里氏によると、前回、前々回のエベレスト挑戦にはそれぞれ約二億五千万円かかったという。三浦氏の三度のエベレスト登頂には、計六億五千万円もの大金がかけられていたのである。
 今回の登頂については、登頂成功と言えるのか、という議論も登山家の間で起きている。三浦氏は登頂後、六五〇〇メートル地点までは徒歩で降りたが、そこでアイスフォールが崩壊の危機にあった。疲労が限界に達していた三浦氏がアイスフォールの修復を待って徒歩で降りるのは危険という判断で、急慮、ヘリコプターでベースキャンプまで降りたのだ。
 この件では、登山家の野ロ健氏の発言が注目を集めた。野ロ氏はかつて、テレビタレントがマッターホルンに登頂後、ベリで下山した際に「自力で下山するまでが山登り」であり、登頂とは言えないと批判していた。しかし、今回のケースについては「緊急避難的にヘリを利用した」という理由で登頂は認められるという見解を示したのだ。
 野ロ氏に「今回のケースが野口氏自身であっても同様の見解なのか」と問うと、こう答えた。
「私と三浦さんとでは年齢が違いますので、登頂とは言えないでしょう。登頂の定義というのははっきりしていないのです。八十歳という年齢で山頂まで自力で登った並外れた体力、気力を考えれば、登頂と認めてあげるべきだと思います」
 三浦氏サイドに聞くと、「私が書いたブログを読んでほしい」(恵美里氏)とのことだった。恵美里氏はこう書いている。
 〈全員無事で生きて遣ること、それが隊長たる自分が守り抜くべき道。父はここからヘリコプターで下山することを決めた。(中略)『登山とは出発点から山頂へ登り、出発点まで自力で戻ること』を登山の定義とし、批判されることは、正直、私にとってどうでもいいことだ〉
(後略)

▲:売名登山家(とざんか、ではなく、とざんや、です)の野口健のバカ話はともかくとして、三浦雄一郎が「批判されることは、正直、私にとってどうでもいいことだ」と居直っているのは、いかにも耄碌老人の暴言である。これだけマスコミや世間を巻き込んでおいて、批判されると「どうでもいい」と開き直る。金に飽かせて猿がエベレストのてっぺんまで運んでもらい、遭難した(実際定義上は遭難である)となると、また金を使って救助のヘリコプターを呼んで、6500メーターから空の旅をする、という、バカ丸出しの登山。イモトの登山と同類。これが「恥ずかしい日本人の登山」というものなのだろう。




PS 偶然だけれども、日曜日の夜(24日)NHKラジオ第2を聴いたら、途中からではあるけれども竹内洋岳という「プロ登山家」の講演会をやっていた。終りの方、10分くらい聴いただけだが、実に傲慢な口ぶりでクダラナイ話をしていた。なるほど背骨にチタンを埋め込んで、遭難した山に再度登頂したのかもしれない。再起不能と言われた怪我を乗り越えて、18座を制覇したのかもしれない。しかしその結果がこんな不遜で思いあがった阿呆一人を産んだだけだとしたら、この男にとって登山はそういった意味しかなかったということなのだろう。8000メーター級18座に登頂しようとも、野口健の阿呆さ加減と変わりはないということ。
 で、イモトや三浦雄一郎や野口健のやっていることを、この竹内という「プロ登山家」はどう言っているのだろう? 日本テレビという「権力」をバックにしているイモトや、NHKお気に入りの三浦や野口について、批判的なことは決して言ってはいないだろう、保身のために。つまり、日本で登山をやっている連中は、「プロ」も含めてグチャグチャした連中ばかりである、という事実に行きあたる。

PS2
 ここで一句。

 18座 登ってみても バカはバカ (竹内洋岳に贈る)

 恥知らず 世界が笑う 猿登山 (ヘリ登山家・三浦雄一郎に贈る)
  (恥知らず 世界が笑う ヘリ登山)

 野口健 若村麻由美と 富士清掃 (野口健に贈る)
 
 イモト眉 虫酸が走る 気味悪さ (イモトに贈る)


2013年7月13日土曜日

脱税・平山郁夫遺族 ガソリン放火宝塚

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130713/k10013018721000.html
平山郁夫氏の妻 遺産申告せず
7月13日 6時16分

4年前に亡くなった日本画家の平山郁夫さんの妻が、平山さんの遺産のうち現金およそ2億円を意図的に申告しなかったとして、東京国税局から追徴課税されていたことが関係者への取材で分かりました。

4年前、79歳で亡くなった平山郁夫さんの遺産は、絵画など10億円以上に上るとみられましたが、ほとんどは美術館を運営する鎌倉市の公益財団法人に寄付され、非課税となっていました。
しかし関係者によりますと、去年行われた税務調査で平山さんの妻が、平山さんが亡くなった後に自宅で現金およそ2億円を見つけたのに意図的に申告していなかったことが分かったということです。また、平山さんの作品の著作権についても評価額が過小だったとしておよそ1億円の申告漏れを指摘され、東京国税局から重加算税を含め、およそ1億5000万円を追徴課税されたということです。平山郁夫さんは、仏教やシルクロードをテーマに多くの幻想的な作品を手がけるなど戦後を代表する日本画家として活躍し、平成10年には文化勲章を受章しました。
▲:平山郁夫という画家は、「政治銘柄」で、日中友好に関係した政治家に特に「食い込んでいた」。絵の御粗末さは、奈良・薬師寺の愚劣な風景画を観れば理解できる。それにしても、あんな駄作が奈良の名刹の中で今後永遠に(?)残るというのだから、恐れ入る。仏像は国宝の名品であるというのに、絵はゴミである。もっとも、今後政治がらみで国宝にでもするのかもしれない。
 筑紫哲也の遺族が数千万の金を申告せずに脱税したように、平山郁夫の妻も、平山の顔に泥を塗った。まぁ、三流画家の醜聞なのだからどうでもいいことだけれども。


● 平山郁夫氏の遺産隠す、妻が2億円除外し申告
 シルクロードを描き続けた日本画家で文化勲章受章者の故平山郁夫氏の妻、美知子氏(87)が、相続財産から現金約2億円を除外して申告したとして、東京国税局から遺産隠しを指摘されていたことが、関係者の話でわかった。
 重加算税などを含めた相続税の追徴税額は約1億5000万円。既に修正申告し、納付を済ませたという。
 ほかに、平山氏の作品の著作権についても、評価額が過少だったとして約1億円の申告漏れを指摘されたが、美知子氏側はこの処分を不服として国税不服審判所に審査請求したとみられる。美知子氏は取材に対し、文書で「体調不良で回答できない」とコメントした。
 平山氏の関係者の話などによると、2009年12月、脳梗塞のため79歳で死去した平山氏の遺産のうち、絵画など約9億円相当の美術品や、アトリエなどに使われていた約2億3000万円相当の土地・建物など計約11億4000万円分は、公益財団法人「平山郁夫シルクロード美術館」(神奈川県鎌倉市)に寄付され、非課税となった。同財団代表理事の美知子氏は、鎌倉市の自宅を長男と2分の1ずつ相続したなどとして、翌10年に税務申告したという。
 しかし、12年に行われた税務調査で、平山氏の死後、自宅の洋服ダンスにあった紙袋の中から現金が見つかるなどしていたにもかかわらず、美知子氏がこうした現金計約2億円を申告から除外していたことが発覚したという。現金は平山氏が絵画などを売却した際に得た収入だったとみられる。

(2013年7月13日08時00分  読売新聞)
▲:自宅に現金で2億円を隠し、それを夫人が申告せず、か。体調が悪くて回答できない夫人は、当時は悪知恵を働かせるほど体調が良かったのに。絵も愚劣だけれども、家族も下劣な平山郁夫は、文化勲章というものに泥を塗った。「脱税文化勲章」というのを新設して、平山郁夫夫人に贈呈するといいのに。




宝塚市役所に火炎瓶で放火 容疑の男逮捕
 12日午前9時40分頃、兵庫県宝塚市東洋町の同市役所1階市税収納課で、男がカウンター越しにガソリンのような液体が入った火炎瓶を2本投げ込んだ。火は1階に燃え広がり、約2200平方メートルを焼いて約1時間後に消し止められたが、職員や来庁者ら6人が煙を吸い込むなどし病院に搬送された。男は市職員の男性(44)らに取り押さえられ、県警宝塚署員が現住建造物等放火容疑で現行犯逮捕した。
 同署の発表によると、男は同市山本南、無職高橋昭治容疑者(63)。病院に運ばれたのは50~25歳で男性3人、女性3人。6人のうち4人は市職員で、いずれも軽傷という。
 同署幹部や市税収納課職員によると、高橋容疑者はガソリンのような液体が入ったポリタンクと火炎瓶を入れたバッグを持って午前9時30分頃に来庁した。自宅マンションの固定資産税を滞納して、預金通帳などを差し押さえられたとし、同課の窓口に「生活ができない」と抗議していて次第に激高。火の付いていない火炎瓶をカウンター内に投げ込み、液体を床にまき散らした後、火の付いた2本目の火炎瓶を投げ込んだ。
 投げ込む際には「俺の人生めちゃくちゃや。お前らが差し押さえるからこうなったんや。俺の答えはこれや」と叫んでいたという。
 高橋容疑者は同署の調べに「市役所から何度も督促が来ていたことに対し、文句を言いに行った。火炎瓶を投げ込んだ後、ポリタンクの中身もぶちまけた」などと供述しているという。
 市によると、高橋容疑者は今年に入って複数回、市税収納課を訪れていた。市税に関するトラブルを話し合っていたという。
 市役所には当時、職員約500人がいたほか、市民ら約100人が訪れており、中庭などの屋外に避難した。
 市は災害対策本部を設置。参院選の期日前投票など、この日の業務を取りやめている。
 市の男性職員は読売新聞の取材に対し、「非常ベルが鳴って駐車場に避難したら1階の市税収納課付近から黒い煙がもうもうと出ていた。市役所が放火されるなんて言葉が出ない」と話していた。
(2013年7月12日  読売新聞)
▲:総務省にガソリン持っていって火を付けると火病発言を堂々としていた孫正義を思い出した。本当に実行する人がいるのである。犯人の名前は「高橋」という。

2013年2月15日金曜日

そこにある死


西穂高遭難の夫婦死亡=静岡の病院診療部長ら―岐阜
時事通信 2月12日(火)19時10分配信
 岐阜県高山市の西穂高岳独標(2701メートル)で12日朝に発見された男女について、県警高山署は同日、死亡を確認したと発表した。2人は静岡県立こども病院第2診療部長で静岡市葵区桜木町の堀本洋さん(63)と妻睦さん(58)で、死因は凍死だった。
 同署によると、堀本さん夫妻は10日、日帰りの予定で入山。西穂高岳独標に登頂後、悪天候のため道に迷い、睦さんが尾根から200メートル滑落したという。


静岡の夫婦、死亡確認 北アルプス遭難
@S[アットエス] 2月13日(水)8時0分配信
 岐阜県警は12日、同県高山市の北アルプス・西穂高岳の標高2500メートル付近で、10日から行方が分からなくなっていた静岡市葵区の静岡県立こども病院の男性医師(63)と妻(58)の2人を発見した。2人は高山署で死亡が確認され、死因はいずれも凍死。
 高山署によると、2人は尾根から約200メートル下の斜面で、約50メートル離れて倒れているのが見つかった。体の一部が雪に埋まり、心肺停止の状態だった。
 2人は10日午前、日帰りの予定で入山。下山中に吹雪で視界不良となり、妻は登山道を外れ、足を滑らせて滑落したという。
 静岡県立こども病院によると、男性は同病院の第2診療部長と麻酔科医長を兼務し、日本小児麻酔学会の理事長も務めていた。
静岡新聞社


▲:奥さんが滑落して、夫であるこの医師は(恐らくかなりの山の経験があるとして・こんな時期にあの場所に行くのは年季を積んでいなければムリ)、一人では助けられないかもしれない、と頭の隅で理解していたはずである。
 2人の遺体が50メートルも離れていたことを考えると、雪が深くて、夫は妻にそれ以上近づくこともできなかったのだろう。雪が飛ばされている尾根を歩くことは難しくはない。しかし、新雪が何メートルと積っている谷すじを進むのは、よほどの体力と装備がなければ無理。
 雪の谷底に滑落した場合は、2次遭難を恐れて一緒に登山していた仲間ですら「諦める」ことがあるのを私は知っている。
 2次遭難、自分も助からないかもしれないことを、この医師は、もちろん、頭の隅ではなく、頭の中心で理解していたことだろう。
 しかし、妻を見捨ててゆけるだろうか?
 たとえ90パーセント、あるいは99パーセント、一緒に助からない・一緒に凍死することになると解っていても、この医師は妻のもとへと雪に埋もれて助けに向かったのだろう。

 あるいは……。一人だけで山荘に戻り、救助を求めるよりも、妻のいる雪の谷すじに降りてゆき、自分もまた死ぬことの方を、彼は自覚しながら・頷きながら選んだのかもしれない。
 不謹慎な言葉かもしれないけれども、妻と一緒に死ぬことのできた・死んでしまったこの医師・夫が、死ぬことを理解していながら妻の落ちていった谷へと、自分も降りていったような気が私にはするのである。

 私は新穂高ロープウェイに初夏に乗ったことがある。終点の展望台から望む景色はすばらしかった。とても冬には行くことはできないけれども、雪に覆われたこの西穂独標とか笠置岳といった周囲の山々は美しかった。この山々の雪景色を眺めて楽しんだあと、この夫婦が一緒に死ぬことができたことに、幸不幸を超えた何かがあるような気がする。
 いや、まわりくどい表現を避けて言ってしまえば、この医師・夫は、幸せだったのだと思う。少なくとも、妻を喪って突き落とされることになる絶望の谷でもがき苦しむことは免れたわけだから。


when you chose the descent on the white slope
coming death posed no threat to your precious hope
that you could leave this world with your long-cherished wife
gratified that her existence gave you the meaning of your life 



奥さんと 共に最後へ 雪の中 his case
奥さんの 名を呼び歩く 雪の中 my case