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2016年10月7日金曜日

越中富山自民党サル軍団 中川勇

2016.10.3 05:00 産経新聞
【衝撃事件の核心】
女性記者怒鳴り上げ〝取材妨害〟の因縁 「パンドラの箱」開けた市議会のドン…富山政活費不正辞職ドミノのウラ

 前代未聞の「辞職ドミノ」はどこまで続くのか。富山市議会で次々と明らかになっている政務活動費不正請求問題。市議会が閉会し、補欠選挙(10月30日告示、11月6日投開票)に向けて各党が動き出してからも、架空請求を認めて辞職する市議が続出。一連の不正での辞職者は計11人となり、9月29日にも、新たに自民党会派の市議が市政報告会の会場費に不適切な請求があったとして約6万円を返還する意向を示した。辞職者の中には、4万円あまりの不正請求で議員バッジを外さざるを得なくなった市議もおり、問題は泥沼化の様相を呈している。市議会の一部で長年にわたって続きながら一切表面化してこなかった不正請求。手を染めてきた市議たちにとっての「パンドラの箱」を開けたのは、市議会のドンともいわれるベテラン市議だった。


「静粛もくそもない」異様な本会議


 「恥ずかしいな」「お前は大丈夫か」「こんなんで終わらすな」


 9月21日午前、富山市議会の本会議場は異様な雰囲気に包まれていた。傍聴席を埋めた市民からはやじが飛び、「静粛にお願いします」との呼びかけには「静粛にもくそもないやろ」と怒号が上がった。


 この日は市議会の最終日。市田龍一議長(当時)ら6人の辞職願が次々と読み上げられ、辞職が許可されていった。一部野党会派からは、「さらに問題を追及すべきだ」として会期延長を求める動議も出されたが、辞職者が相次いだ自民党や民進党などは賛成せず、閉会した。


 その後も収まる気配はない不正請求問題。市議会で最初に発覚したのは、自民の中川勇氏(69)=市議を辞職済=だ。8月中旬、地元の北日本新聞社などが、市政報告会の経費として政活費を請求しながら、実際には開いていなかったとの疑惑を報じた。


 当初は不正を否定していた中川氏だが、5年間に約60回開いたとする報告会のほとんどは開催が確認できず、報告会の資料代などとして約694万円を不正請求していたことが明らかになり、同月30日に辞職した。


きっかけは議員報酬引き上げ


 実は中川氏と同社との間には浅からぬ「因縁」があった。


 6月9日、市議会は議員報酬を現行の月60万円から70万円に引き上げる条例改正案を審議中だった。


 唐突にも思える10万円アップは妥当なのか。市民からの批判も強く、同社の30代の女性記者はこの日昼ごろ、議員一人一人の声を聞こうと、自民会派の控室で取材をしていた。


 同社によると、それを制したのが中川氏だった。合併前の旧市時代から通算6期目で議長も経験。当時は自民会派の会長を務め、報酬引き上げの中心的な役割を担っていた。


 「市議会のドン」とも評される重鎮は、報酬引き上げに否定的な取材ととらえて立腹したのか、「何を聞いているんだ」と女性記者を怒鳴り、取材メモを取り上げたという。


 同社は取材妨害だとして抗議し、県警に暴行容疑などで被害届を提出した。一方の中川氏は徹底抗戦の構えをみせていた。


 それから2カ月あまり。同社の報道で窮地に追い込まれた中川氏は、報道直後に一時行方をくらませたこともあった。



「市政報告会もっとやれ」共産市議にも迫る


 中川氏とカネ。その根は深い。


 「最初は意味が分からなかった」


 そう言いながら、中川氏の以前の発言を明かすのは共産市議だ。


 「100万円ちょっと残しているじゃないか、全額使い切れよ」


 平成26年春、議長だった中川氏は、市役所6階の議長室に呼び出した共産市議に迫ったという。


 中川氏は当時、1人当たり月15万円支給される政活費の増額を狙っていた。「余らせたら引き上げが提案できない」と不満をぶちまけ、ささやいた。


 「俺たちみたいに市政報告会をもっとやれ。そうすれば、資料コピー代とか茶菓子代がもっと出る」


 結局、この後間もなく、兵庫県議(当時)の〝号泣会見〟が話題となったこともあり、政活費増額の話は立ち消えとなった。


 辞職した市議の中でも飛び抜けて不正請求額の大きい中川氏の手口は、いたって古典的だ。


 付き合いのある印刷会社から白紙の領収書の束をもらい、それに好きな金額を記入。市政報告会で配る資料の印刷代などとして架空請求するのだ。


 実際には報告会は開いていないため、書いた金額はそのまま中川氏の懐に入る。共産市議へのささやきと合わせてみると、悪質性は際立つ。


「大きな利権もなく…」


 水増しや使途のごまかしなどではない大胆な手口を使ってまで、なぜ、金が必要だったのか。


 「人付き合いが増え、遊ぶ金が欲しかった」


 辞職翌日の記者会見で動機をこう語った中川氏。9月19日付の朝日新聞朝刊(大阪版)によると、議員年金が廃止されて老後に不安を抱えていた。「飲むのが好きで、誘われたら断れない性格」だともいい、飲み屋にも3、4軒は顔を出し、一晩で何万円も消えていったという。


 自身の飲み代欲しさの不正は後輩議員をも巻き込んだ。


 中川氏から偽造領収書を渡され、政活費を請求した男性市議は、自身の“もうけ”は一円もないにもかかわらず、不正請求の責任を取り、辞職に追い込まれた。


 不正発覚以降は、自宅に早朝4時から無言電話がかかってくるなど、批判の嵐にさらされた。それでも中川氏に対する恨み節は口にしない。むしろ「自分とは違って、付き合いも広かったので金も必要だったのだろう」と思いやる始末だ。


 実力者としての威光の強さをうかがわせるが、地元関係者からは違った見方も聞こえてくる。


 「『ドン』と言われるが、大きな利権の話も聞かない。飲み代欲しさに公金に手を出したことで分かるように、実際はいっぱいいっぱいの生活だったようだ」


 毎年100万円超の不正請求を続けてきた中川氏。現在は自宅も手放し、市に不正受給分を全額返還したという。



▲:産経新聞がこの「号泣兵庫県議」と同じ罪を犯した元・富山市議に同情的(?)な記事を書いていることには呆れる。