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2016年9月10日土曜日

夏目コンドームと芸能界のドン

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160910-00101514-diamond-soci&p=1

夏目三久と有吉弘行の熱愛を報じない芸能マスコミの不思議
ダイヤモンド・オンライン 9月10日(土)6時0分配信

 二世俳優の高畑裕太が宿泊先のホテルの女性従業員を暴行したとして逮捕されたのが先月二三日午前三時半過ぎのことだった(容疑は強姦致傷罪。その後九月九日に示談成立で不起訴処分)。
 第一報が報じられると、芸能リポーターのみならずスポーツ各紙は事実確認に急ぎ、ワイドショーはてんやわんやの様相を呈した。裕太の母親が紫綬褒章受章の大物女優・高畑淳子だったことや、四日後に放映される日テレの看板イベント『愛は地球を救う』に裕太がパーソナリティとして出演を予定していたこと、そして起こした事件が事件だっただけに、SMAPの解散報道も吹き飛ぶほどのインパクトを与えた。
 問題は、翌二四日の日刊スポーツである。ニッカンは、フリーアナ夏目三久と売れっ子芸人・有吉弘行の“熱愛”を報じた。夏目アナはすでに妊娠していて、二人は年内に結婚する方向で予定を調整。来年三月をもって夏目はMCを務める『あさチャン! 』(TBS)を降板するという大スクープだ。
 お盆明けのワイドショーは、たいへんな騒ぎになるはずだった。
 が、何故か、ワイドショーが時間を割くのは裕太が起こした事件の詳細と本人の性癖、さらには女優である母・淳子の面会、謝罪会見に関する内容ばかりで、有吉‐夏目の熱愛についてはどのワイドショーも報じようとしなかった。
 スクープ当日の『情報ライブ ミヤネ屋』には、当の日刊スポーツ芸能デスクがゲスト出演していたにもかかわらず、熱愛報道はスルーされた。それで多くの人が首を傾げたのだが、裕太の事件と母子関係が大きく取り上げられたのには、もうひとつ別の理由があった。
 淳子は、西田敏行が退団した後の『青年座』では取締役に就任し、一部では“女帝”などと囁かれていた。なかなかに気性が激しいことで知られているが、裕太の同級生によるこんな証言もある。
 「(小学生時代の裕太は)学校にエロ本を持ってきたり、授業中も落書きばかりしていました。先生が注意すると、家に帰ってしまうのです。するとお母さんが『うちの子に、何言ったの! 』と怒鳴り込んでくる。五年生の頃、禁止されていた携帯電話を裕太が持ち込んで、先生に没収されたことがあります。そのときもお母さんが『没収期間の電話代は先生が払え! 』と凄んだのです。二十代の女性の担任は病気になって、学校に来られなくなった。まさにモンスターペアレントでした」
 週刊誌の編集部に乗り込んで凄むようなことはしないものの、代わりに、淳子は“NG媒体”を指定することでも業界では有名だった。NG媒体というのは、取材をいっさい受けない週刊誌のことで、淳子は気に入らない記事を書いた週刊誌をことごとくNG媒体にしたのだそうだ。
 すると、新しく始まるドラマ、あるいは新作映画の紹介記事を某週刊誌が企画したとする。淳子が出演しているドラマだ。編集部としては製作発表の模様や出演者のインタビューで記事を構成するつもりでいるが、その雑誌を淳子がNG媒体に指定しているため、彼女を取材することができない。だから、できあがった記事には、他の出演者の写真やコメントは載っているのに彼女だけ載っていないことが多々あったりする。
 テレビ局の広報部員としては、新しく始まるドラマはできるだけ雑誌に紹介してもらいたい(=少しでも視聴率に結びつけたい)と思っているが、淳子が取材を拒否するので番宣が中途半端になり、他方、記事を作る側の編集部や記者さんも重要な役どころの淳子が取材に応じてくれないので記事の構成に頭を悩ませる。
 そういった意味では、淳子も“問題児”ではあった。もちろん、あの雑誌嫌い、この雑誌はイヤとNG媒体をつくる俳優女優さんは彼女だけではないが。
 といった背景があるので、裕太の事件を記事にした週刊誌にざっと目を通しただけで、その“書きぶり”に差違があることがよくわかる。淳子を擁護するトーンが強い媒体もあれば、事件をかなりツッコんで書いている雑誌または容疑者を悪し様に書いている雑誌もあって、手厳しく書いている雑誌はもしかしたら“NG媒体”にされ、関係が良好ではなかったのかもしれない……、などと勘ぐってしまうのである。たぶんそうだったのだろうけど。
 淳子は以前住んでいたマンションの他に、現在住んでいる豪邸があって、さらに二億五〇〇〇万円もする大豪邸をいま渋谷区の一等地に建築中(十月完成予定)で資産はゆうに五億円を超える……、なんてことも書かれているが、もうちょっとうまくメディアとつきあっていたら、ここまで書かれることはなかったようにも思う。

 では、夏目‐有吉の熱愛を、なぜワイドショーが黙殺したかというと、こちらはどうやら“業界のドン”が圧力をかけ、日刊スポーツのスクープを握りつぶした――、との話で持ちきりだ。ほんのひと月前には東京都知事選で“自民党都議連のドン”が話題になったが、今度は芸能界のドンである。二〇一八年の大河は『西郷どん』で、亡くなった大橋巨泉は“倍率ドン”だった。芸能デスクが言う。
 「夏目(三久)は、日テレ時代にコンドームの箱を手にした写真を週刊誌に掲載され、どん底を見た。その苦境に手を差し伸べ、二〇一一年二月から引き取ったのが田邊さん(後略)」
 田邊さんというのは、大手芸能事務所『田辺エージェンシー』社長の田邊昭知のことだ。田邊はグループサウンズの全盛期、沢田研二がいた『ザ・タイガース』と人気を二分したグループ『ザ・スパイダース』のリーダー兼ドラマーだった。メンバーには堺正章やかまやつひろし、井上順らがいた。
 田邊は一九七〇年に芸能活動を辞め、七三年に田辺エージェンシーを設立する。当初から堺正章、研ナオコ、タモリといった個性派タレントを擁し、タモリ司会の『森田一義アワー 笑っていいとも! 』の人気が長じるにあわせ事務所も勢いを増し、老舗のナベプロやホリプロと肩を並べるまでになった。現在の大河ドラマの主役・堺雅人も田辺エージェンシー所属だ。
 「日本の芸能関係で何かあると、テレビ局でも芸能プロでも、全ての物事を田邊さんにお伺いを立てて決めるというくらいの実力者」(四〇年来の腹心)
 だそうだ。そういえばSMAPの独立騒動のときにも田邊の名前は散見された。
 「芸能界のドンというと、バーニングの周防(郁雄)さんだと思われてますが、真のドンは田邊さんです。例えば一四年、みのもんたの復帰祝いパーティの発起人は“三人の実力者”でした。田邊さん、イザワオフィスのマネジャーだった井澤健さん、周防さんです。ただ、ドリフターズのマネジャーだった井澤さんも、北島三郎の運転手だった周防さんも裏方出身ですが、田邊さんはもともと大スター。『おい周防』って感じで二人のことも呼び捨てなんですよ。ダンディな雰囲気で温厚な人ですが、怒ると怖い」
 田邊の実力を、民放幹部はこう説明する。
 「『ミヤネ屋』にニッカンスポーツのデスクを登場させている日テレのみならず、各局の担当者に対し“日刊の記事には一秒も触れるな”と厳命しました。結果、情報番組は強姦致傷の容疑で前日に逮捕された二世俳優のことばかりで、夏目と有吉の熱愛はなかったことにされたんです」
 民放幹部はさらに続ける。
 「これほどの情報統制はジャニーズ事務所でもできない。でも、田邊さんはそれを易々とやってのけた。日刊は翌日も続報を掲載しましたがその他のスポーツ紙は単に、『事実無根』『事務所が否定』としか書かなかった。『目黒』の力を存分に見せつけた形ですね」
 目黒には田辺エージェンシーの本社があるのだが、その田邊が目をかけたのが夏目アナだった。田邊夫人・小林麻美に夏目アナが似ているかどうかはさておき、よほどのお気に入りらしく、一度はテレビから消えかけた夏目アナを引き戻したのも田邊の尽力によるものだ。プロダクション関係者が言う。
 「大社長自らテレ朝とニッポン放送に出向いて、『夏目に、もう一度チャンスをやってください! 』と頭を下げていた。みんな知っていることです」
 そして、夏目がフリー転身後に初めて得たレギュラー番組が有吉と共演する『怒り新党』になるのだが、田邊の辣腕ぶりをもうひとつ紹介すると――、堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』が大爆発した際、TBSは当然、続編を希望するが、田邊は首を縦に振ろうとせずTBSを焦らし、他方では夏目アナを『あさチャン! 』メインMCに据えるという離れ業をやってのけた。『怒り新党』『真相報道 バンキシャ』に続くレギュラー番組の獲得である。
 「よく言われるのよ、なんで有吉は夏目にあの件を言わないんだって。おれはいじってるんだけど、テレビ的に使えないんだよ。でもさ、一度禊をしないと……、はい、われわれはもういじりません。今後、これ以上言ってくるやつはダサいって」
  『怒り新党』の放映が始まって間もなく、有吉が言った台詞だ。これに対し、夏目アナも“ありがとうございます。なんかストンと落ちました”と返しているが、この“禊”以降、夏目アナが日テレを追われた理由が蒸し返されることはなかった。
 夏目アナが有吉を“頼れる男”だと意識し始めたのはこのときからではないか、とテレビ関係者は言う。
  〈『怒り新党』の開始当初、夏目と有吉はそれぞれ都心から離れた場所で暮らしていたが、一四年三月、有吉は夏目の自宅にほど近い家賃七〇万円の超高級マンションに引っ越している。この時点で徒歩十分の“ご近所さん”状態だったが、翌一五年、驚きの展開が待っていた。
 「今度は夏目さんが追いかけるように有吉さんの隣マンションに引っ越してきたんです。この頃には正式な交際に発展していたようです。引っ越し先も有吉さんと相談して決めたそうです(芸能関係者)」(中略)
 「お互いのマンションは敷地も隣接しており、ほとんど公道に出ずに行き来できる。バレるわけないんです」(別の芸能関係者)〉
 二人の親密ぶりを嗅ぎつけた芸能マスコミは張り込みを続けるが、決定的な証拠をつかむことはできなかったのだという。そのさなかでの日刊スポーツのスクープだった。芸能プロ関係者が言う。
 「記事が出た日、太田プロ(有吉氏所属)の担当者は『出ちゃったらしょうがない』と話していた。その後、『社としてコメントを出す予定』『ノーコメント』と対応が二転三転して、結局『事実無根』という結論に。どうやら夏目の所属事務所から抗議が来たようなんです。“ドン”の逆鱗に触れ、太田プロの幹部はすっかりビビってしまい、気の毒なほどでした(後略)」
 ドンを激怒させると、どんなことになるのか――? 
 現在、有吉は十本以上のレギュラー番組を抱える売れっ子だが、ドンの一言で次の改変期に全ての番組が打ち切り終了なんてことになるのだろうか。有吉を使うならうちのタレントをおたくの局にはもう出さないとテレビ局を揺さぶるのか。
 唯々諾々と従うのはテレビ局だけではない。スポーツ紙をはじめとする芸能マスコミにも、“これは事務所に頼まれて書いてるな”と思えるようなチョウチン記事は数多く見受けられる。
 芸能人の記者会見では、開始前に司会者や主催者から“この質問(いま世間を騒がせている問題)はナシでお願いします”といったお達しがあることが多く、何故かは知らないが芸能リポーターは皆が皆、それに従う。
 私の経験から言うと、ずいぶんとむかし、あるタレントさんを取材して原稿を書いたら、ゲラを読んだマネージャーさんが激怒しながら電話をかけてきたことがある。こんなことを書かれたら困る、うちのタレントのコメントを修正してくれとマネージャーさんは言う。
 断ると、今度は脅しめいたことを口にするので私も負けじと言い返す。おたくのタレントさんは原稿にしたとおりのことを言っているし、内容はテレコでしっかり録ってありますよ。聞きますか、と。私では埒が明かないと思ったのか、マネージャーさんは編集部に電話を入れたようだった。今度は担当の編集者から電話がかかってきて、マネージャーさんとのあいだで話はついているらしく、例の箇所は編集部で修正すると言う。ついでにマネージャーさんに抗議の電話なんかしないでくれ、と念を押されたりもする。
 要は、芸能事務所が直せと言っているのだから直す、ということだ。
 なんだかなあとは思うが、芸能マスコミにはそういう“なんだかなあ”がずいぶんある。これから小池百合子新都知事の都政が始まるが、自民党都議連のドンを取り上げるワイドショーは、業界のドンの言いなりに有吉‐夏目の熱愛を取り上げないという滑稽なことをしているのだ。

  〈これを狐につままれたような気分というのか。。。〉

 有吉はツイッターでこう呟いた。田邊社長サイドは日刊スポーツの熱愛記事を全否定で、とりわけ夏目アナの妊娠については医師の診断書を出してもいいとまで言っているという。夏目アナ本人も、記事は誤報だと言っている。
 熱愛報道の真偽はわからない。だが、愛しあっている二人を、ドンの圧力が引き裂くようなことがあるのなら、いくら寵愛しているとはいえ、それは酷というものだ。(文中敬称略)

 参考記事:日刊スポーツ8月24日・25日付
週刊文春9月8日号
週刊新潮9月8日号
女性セブン9月15日号他