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2016年8月27日土曜日

ロイヤルホストにて

 金子哲雄は小沢済州島一郎と親しい、それだけで「怪しい」人物だけれども、彼が遺した本の中の一節は気に入っている。
https://restfultime.blogspot.jp/2016/03/blog-post_7.html

 ものすごく金持ちでも、ものすごく貧乏でもだめ。ほどほど、がちょうどいい。この層が、流行を生み出し、社会を動かしているのだ。
 スーパーが「大衆」を強く意識している。そのいちばんいい例が、「お刺身3点盛り398円」だろう。
 「398円」というのは絶妙な価格設定で、この値段なら、「今晩のおかずに、刺身を出そうかしら」という気持ちになりやすい。例えば、598円や698円のセットならば、「食べたい人が食べればいい」ということになってしまう。
 スーパーの腕の見せ所は、いかに「398円」の中身を充実させるか、だ。スーパーの利益の出るギリギリのところで、消費者が満足するものを出す。このせめぎ合い。スーパーの「お刺身3点盛り398円」を比較すると、そのスーパーの勢いや、思想みたいなものが、わかってしまうほどだ。
 売る側が、消費者が買いたいと思う最高のパフォーマンスを提供しているかどうか。398円のお刺身の中身ーー品質、鮮度、組み合わせ、見た目のボリュームはどうか。スーパーの腕の見せ所である。
 「お刺身3点盛り398円」は、売り手と買い手双方が納得する、「適正価格」なのだ。適正価格のものがきちんと売れていけば、売り手もハッピーだし、買い手もハッピーになる。これが自分が探していた、ウインーウインの関係だ。日本経済全体がハッピーになるための基本の考え方が、ここにある。
(引用終わり)


 安くて美味しい「お刺身3点盛り」を、スーパーの腕の見せ所、と位置付ける金子の考えには同意する。こうした「小さな快適さ」が、大げさに言えば、人生を楽しくする。
 同様に、安くて美味しいファミリーレストランの存在も、人生を楽しくする。
 日本のあちこちをドライブして観光している私には、各地で入るファミレスの「グラデーション」を観察するのが楽しい。

 京都府立大学の近くにあるロイヤルホストは、京都をドライブするときには時々利用する。雰囲気のいい店である。
 府中美術館に行く途中のロイヤルホストもいい。
 昔勤務していた白石区にある病院からは、歩いて2分で、南郷通と環状通の交差点にあるロイヤルホストに行くことができた。夜、よく利用した。
 というように、美味しくて雰囲気のいいロイヤルホストも多いのだけれども……
 私の家から500メートルほどの南郷通にもロイヤルホストがある。数年前を最後として、二度と行かない。数年前に行って、ビーフシチューを注文したことがある。出てきたシチューは、直径10センチ程度のシャーレのような形をした皿の中に、「深さ1センチ程度」しか入ってはいなかった。
 今なら写真を撮って「こないでんねん」と大阪弁のキャッチフレーズを付けてブログにアップするところだけれども、当時はもちろん、スマホなど持ち歩いていなかったので写真はない。
 美しく撮影された料理が並べられているメニューとも、かなり違っていた。
 これほど少ない量のシチューをあの料金で出していれば、儲かるだろう、阿漕な商売をしているな、と、感心したものである。感心したけれども、二度とこの店舗には入らないと決めて、それ以来、家から徒歩数分の場所にあるこのロイヤルホストには入ってはいない。
 ロイヤルホストも、今になって思うと、店舗によって差があるのだろう。決して一律なサービスを提供しているのではない。当然だろう、やっている人間が違うのだから、いくら本社が「教育」しても、実際に働いている人間の出来不出来で差が出てしまう。
 石山通りにあったロイヤルホストは潰れたし、札幌ドーム近くのロイヤルホストは同系列のカウボーイという「大食漢のための店」になってしまった。

 ところで、宮の森にあるロイヤルホストに、先週の土曜日、一人で入ってカツ丼を注文して食べたのである。

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