ページ

2016年6月2日木曜日

ナントカ水

 今日は夕食を作るのが面倒になって(いつものことだけれども)、車を出して近所のラーメン屋に行く。ところが、駐車場が一杯で待っている客までいて、「行列に並んでまで食事をしない」というのが信条の私はそのラーメン屋を諦めて、食堂を探しながら車を走らせていた。
 小さなレストランを見つける。大きな通りに面した店で、店の前の駐車場に一台分の余裕があったので、そこに車を入れて店に入る。
 中年の夫婦2人だけで切り盛りしている店。ちゃんと「食べログ」にも出ていて、世間一般的にはマトモなところとして認められている。

 ところで、「食べログ」といえば、今日はこんな判決が最高裁で確定した。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160602/k10010544171000.html
「食べログ」情報 削除認めない判決確定
6月2日 17時53分飲食店の検索サイト「食べログ」の口コミで損害を受けたとして、北海道で飲食店を経営する会社が、サイトに出ている店の情報を削除するよう求めた裁判で、最高裁判所は店側の上告を退ける決定を出し、情報の削除を認めない判決が確定しました。
飲食店の評価や感想を口コミとして書き込める検索サイト「食べログ」を巡って、北海道で飲食店を経営する会社は、「料理が出てくるまで40分くらい待たされた」などと否定的な内容を書き込まれ損害を受けたとして、サイトを運営する東京のインターネット関連会社「カカクコム」に店の情報の削除を求めました。
1審の札幌地方裁判所は「店側の要求を認めれば、サイトの利用者が得られる情報が恣意(しい)的に制限されることになり、到底認められない」として、訴えを退けました。
店側は控訴しましたが、2審の札幌高等裁判所も「飲食店を経営する以上、社会的に妥当な『口コミ』であれば損失があっても受け入れるべきだ」として退けました。

このため、店側が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の岡部喜代子裁判長は、2日までに上告を退ける決定を出し、情報の削除を認めない判決が確定しました。
(引用終わり)

 ということで、病院を経営(運営)する以上、社会的に妥当な『口コミ』であれば損失があっても受け入れるべきであり、一刻も早く
〈病院ログ〉
 というものを作り、実際にその病院を利用している患者が病院の評価・口コミをするサイトがネット上に存在するようになるといいと思う。出版社や新聞社がやっている「病院ランキング」なんて、ウソが少なくないのだから。
 実際の患者やその家族たちが意見を公表するようになれば、下手な治療や横柄な診察をしている病院が少しでも淘汰されるかもしれないし、そうなることは「公共の利益」になることであることは明らか。
 と、脇道はここで終わり。

 さて、今夜行ってきた料理店である。
 もう二度と行かないのは、料理の美味しさとかサービスの問題ではない。
 テーブルに置いてあったプラスチック製の立て札。中には、「当店でお客様にお出ししている水について」ということで、あれこれ書かれた文章が挟まれていた。
 水素水とか還元水とかではない、もっと別の唖然とする名前の水。
 ナンタラコータラのナントカ水をお客様に提供、ドータラエネルギーがナンタラ波長でパワーをアータラ、とのこと。(中島みゆきの深夜放送的語調で)
 もちろん、注いでくれたテーブルの上の水の味は普通の水道水である。
 この店、以前から気になっていたけれども入ったことはなかった。そこそこ流行っているし、少なくとも数年前からあって潰れるようなことは今後もないだろう。奥さんはそこそこ美人だし、シェフの御主人は指物職人のような謹厳実直そうな雰囲気である。こんなにマトモそうな夫婦が、アータラ水のパワーエネルギーを信じているのか.........。
 私の表現範疇では、こうした人は、
「いってしまっている人」
 と定義される。
 水素水を宣伝している藤原紀香も「いってしまっている人」であり、
 水素水を販売している伊藤園は「いってしまっている会社」ということになる。
 何か、底深い人間心理(心の病)の闇を覗いてしまったような、不気味な気分のまま料理を食べ終えた。

 マトモそうに見える夫婦でも、実はああして深淵に落ち込んでしまっている人はいるのである。
 もちろん、そう思うのは私の勝手な思い込みで、ひょっとしたら、アータラ水の「波動エネルギー」が後世になって科学的に証明されるのかもしれないけれども。

 とりあえず、アータラ水を信じている不可解な人たちがやっている料理店には、個人的判断で、もう二度と行かないことにしたのだった。