ページ

2016年4月15日金曜日

子宮頸がんワクチン 週刊文春 2016年4月14日号








 孫を抱く京大教授の写真は、日本産科婦人科学会のサイトからの引用。
 小西郁生が孫と楽しく日々を過ごしているその同じ時間を、子宮頸がんワクチンによって人生を奪われた少女たちは、こんなふうに生きている。

https://www.youtube.com/watch?v=BGjn1ZOnRiY




週刊文春2016年4月14日号
薬害訴訟へ「子宮頸がんワクチン」
少女を泣かせたのは誰だ
 子宮頚がんワクチンの「副反応」被害を訴える女性たちが3月30日、国と製薬会社2社に対し損害賠償を求めて集団提訴する方針を表明した。記者会見に出席した酒井七海さん(21)はこう悔しさをにじませた。
「たった何ミリかの液体で人生が変わりました。過ぎていった時間は二度と戻ってきません」
 酒井さんは高校一年だった2011年3月にワクチンを接種した翌日夜、入浴後に突然失神したという。
「それ以来、今に至るまで5年間さまざまな症状が出て、苦しんできました」
 頭痛などが続き、脱力感に悩まされてきた。校内で教室が分からなくなったこともあったという。その後も症状は悪化。記憶障害や運動障害などを発症し、現在は車椅子生活を送っている。
「なぜ自分がこのような被害を受けたのか、すぐに適切な治療を受けられなかったのか知りたい。今後同じようなことを繰り返さないでほしい」(同前)
 会見に出席し望月瑠菜さん(17)も真相究明を切望した。
「学生生活でやりたいことが沢山あったのにそれを諦めなければならないことが一番辛い。国や製薬会社、ワクチンを勧めた人たちには責任を取ってほしい」
 望月さんは、児童会長も務める活発な少女だった。それが小学六年で接種した後、しばらくして全身に痛みを覚える。歩行が困難になり、高校では握力が六、七キロにまで低下した。ミミズが這うような文字しか書けなくなったという。
 被害女性たちはみな同様の高次脳機能障害などに悩まされ、解決の糸口を見つけられずにいる。

 製薬会社からの利益供与
 ことの始まりは09年10月、英国資本の製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン「サーバリックス」が日本で承認されたことだった。翌10年には、ワクチン接種の「公費助成」が決まり、多くの自治体で「無料接種」が受けられるようになる。11年には米国資本のMSD社が製造する「ガーダシル」が承認された。
 その背景をジャーナリストの斎藤貴男氏が解説する。
「09年にがん対策における厚労、文科、経産の三大臣会合が開かれ、『迅速な審査』が決まりましたが、経産大臣が入っていることからも、市場開放が目的だったことが分かる。日本独自でワクチンの審査をしないまま承認されました」
 13年には、改正予防接種法が施行され、小6~高1の女性を対象に「定期接種」が始まった。しかし、前後して副反応報告が相次ぎ、わずか75日で厚労省の「副反応検討部会」は「積極勧奨の中止」を決定することになる。
 こうしたワクチン行政の拙速と迷走を引き起こしたのが政治家と専門家だ。
「政界の旗振り役となったのが、松あきら公明党副代表(当時、以下同)です。サーバリックス承認前の08年には早期承認、接種への助成などを舛添要一厚労相に求め、09年6月の決算委員会で『ほとんど副作用がない』とアピールするなど、承認を全面的に後押しした」(政治部記者)
 松氏がワクチンにご執心だったのはなぜか。
 本誌は13年6月27日号で、松氏の夫である弁護士の西川知雄氏がGSKのロビー活動を過去に請け負うなど近しい関係にあったこと、また、GSKと関係が深い自治医科大学附属さいたま医療センターの今野良医師と松氏が創価学会系の雑誌で対談していることなどを報じた。
「その今野医師が実行委員長として主に活動の舞台にしていたのが、『子宮頚がん征圧をめざす専門家会議』です。この会議は、GSK、MSD両社から少なくとも七千万円の寄附を受けており、また、GSKのワクチンマーケティング部の元部長も所属していました。つまり製薬会社から利益供与を受けながらワクチンの推進をしていたのです」(厚労省担当記者)
 さらに今野医師が筆頭著者の共同論文にはGSKの社員二人が名を連ね、同社からは研究費も補助されていた。この今野論文は、ワクチンの有効性を示す論拠の一つとして厚労省の資料に引用されている。
 松、今野面氏に今回の提訴方針について見解を求めたが、松氏は「多忙のため取材はお断りします」と答えるのみで、今野氏は応じることはなかった。
 昨年末にはこんな一幕も。
〈16歳の高校生を利用した「社会運動」は、そろそろ止めたらどうだろう〉
 昨年12月27日、ツイッターでこうつぶやいたのは、当時、東大医科学研究所特任教授(今年3月退任)で、推進派としての発言を続ける上昌広氏だ。
 望月さん親子がワクチン被害の救済を求め署名活動を行なった直後のコメントだった。
 望月さんの母親が憤る。
「娘のことを言われて気持ちが収まらず、〈被害者たちを治してからこういった発言はして欲しい〉という趣旨のことを書き込んだら、ブロックされました」
 上氏に話を聞いた。
「ブロックしたのは、私に対する投稿は沢山来るので。被害者がジョーカーになってしまい、誰も文句が言えなくなった。医学的な話としては議論が進まなくなった。それに(ワクチンの)副反応でなかった場合、その子たちは救済の機会を失う。訴訟に至る前に無過失補償(国、企業側の過失有無にかかわらず、国が補償をする制度)を厚労省がするべきだったと思う」

予防効果はまだ証明されていない
 一方で、被害女性たちを診療してきた学総合研究所東京医科大医西岡久寿樹所長はこう指摘する。
「(被害女性の症状は)新しい病態と捉えるべきです。(推進派は)既存の概念で捉えようとしていますが、症状に謙虚に向き合っていかないといけません。現状ではワクチンに関連した中枢神経系の異常というところまでは言えるでしょう」
 この問題に詳しい医療関係者が言う。
「推進派は世界保健機関(WHO)が『ワクチンは有効』とお墨付きを与えたことを拠り所にしています。しかし、WHOが根拠とする論文の中にも、GSK社員が書いた都合のいい論文などが存在する。
 実は、子宮頬がんワクチンは厚労省のパンフレットに〈子宮頬がんそのものを予防できる効果はまだ証明されていません〉と書いてあるように、効果の立証もされていません。そもそも子宮頸がんは検診をしっかりと受けてさえいれば、ほとんど全てを防げるのです
 今回の訴訟の提起について、製薬会社2社に聞くと、次のように回答した。
「現時点で詳細を承知しておりませんので、コメントは控えさせて頂きます」(GSK)
「無作為臨床試験を含む、圧倒的な科学的エビデンスがあることから、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会のこれまでの主張に根拠はないと信じています」(MSD)
 前出の厚労省担当記者が言う。
「厚労省の副反応検討部会は14年に『接種時の痛みや不安が心身の反応を引き起こした』との見解を表明しています。ただ、この見解に100%の自信があれば『積極勧奨』を再開しているでしょうが、未だに出来ていない。要はなぜこうした事態が起きたか、まだはっきりと分かっていないということです」
 責任の所在なき不条理に泣くのは少女たちである。


▲:子宮頚がんになるのは、普通は40代からである。40代後半から、もっと多いのは50代になってから発症するというのが殆どではなかっただろうか。その年齢になっていれば、「普通は」子供を産む時期を終えている。
 つまり、たとえガンになって「死ぬとしても」(注・そもそも子宮頸がんは検診をしっかりと受けてさえいれば、ほとんど全てを防げるのです)、子供を育てるという喜びを十分に味わってから(孫を抱いている京大産婦人科教授の笑顔が示すように、孫であれ子供であれ、子孫を育てるのは幸福なことである)、そして死んでゆくことができる。
 ところが、子宮頸がんワクチンの副作用で苦しむ女性たちの中には、結婚や出産など望むべくもないような重篤な状態に陥っている患者が多数いる。
 Youtubeで悲惨な状態を見るといい。
 こうした症状に苦しんでいる患者たちを見て(診て)、「気のせい・気のやまい・ストレス・ヒステリー反応・心因反応に過ぎないからね」などと言っている医者たちは、
「根っからのバカ」
 なのかそれとも
「何か別の思惑のある悪党」
 なのか、そのいずれかだろう。

 10年くらい前に、水俣の資料館に行ったことがある。
 そこでは多くの映像が、これでもかこれでもかとばかりに多数公開されていた。そこで見た有機水銀による中枢神経障害と、これらの副作用に苦しむ女性の症状はとても似ている。程度の差こそあれ、同じ中枢神経障害を起こしているのだろう。
 「気のせいだから」とか「心の問題だから」とか言っているだけではたりず、被害を訴え訴訟を起こした患者とその家族に対して、「高校生を利用した社会運動はやめろ」(上昌広)と「上から目線で」吐き捨てる愚劣な医者までいる。しかも、上昌広のウィキには、この「ツィッター事件」が記載されていないという不思議さ。
 実際に苦しんでいる女性たちをまともに見ようとしない医者は、他にも大勢いるだけではなく、残念ながら彼らが「日本の医療界では主流」を占めているようである。

 それにしても、厚労省は薬害エイズ事件のときと同じ過ちを繰り返さないために、ワクチン接種推奨を早期に中止している。当然のことだろう。
 ワクチン接種公費補助に踏み切った当時の厚生大臣は舛添要一か。
 そして公明党副代表・松あきら。
 あれ、舛添の奥さんって……


PS 松あきらとピロリ菌除菌保険適用とか

PS  子宮頸がんの予防には2つの方法がある。
 一つは、ワクチンを打つこと。しかしそれによって1年365日痛みと不随意運動で通常の生活がまったくできなくなる不幸に陥る可能性を引き受けなければならない。
 もう一つは、毎年検診を受けてがんを予防すること。この方法だた、Youtubeにアップされているような悲惨な副作用に一生涯苦しめられるというような危険はない、安全な道である。
 これら2つの選択肢を、産婦人科医は患者に示す「最低限の倫理」があるはずなのだが、日本産科婦人科学会のホームページにはそれらの倫理も常識も見つけることは、残念ながらできないようである。