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2016年4月4日月曜日

週末は登別 虎杖浜 苫小牧


お土産にもらった玉木屋のふりかけ。

 この前の週末、土曜日、本州から親戚の老夫婦がやってきて、新千歳空港に迎えに行く。北海道から移住して関東に住んでいる親戚で、なんと、北海道新幹線に乗るためにわざわざ新千歳まで飛行機でやってきたのである。
 新千歳空港で出迎えて、そのまま登別温泉へと向かう。

 親戚は、登別で一泊してから、室蘭で列車に乗り込み函館まで行く。函館で一泊してから新函館東京間の新幹線に乗る、ということである。私の役目は新千歳から室蘭のJR駅・東室蘭駅まで送ること。
 最初、登別温泉と聞いて、嫌な予感がした。
 あの、従業員の態度が横柄で、やかましい中国大陸からの客が大声で「叫びながら」建物内を我が物顔で占拠し、料理も不味い第一滝本館、というホテルを予約したのではないだろうか、私の分も、と危惧したからである。
 幸いなことに、別の老舗ホテルだったので、安心した。
 そのホテルには、台湾からの観光客が多かったが、大陸中国人とは全く異なり、節度は弁えている。それに、バイキングであったものの、出ている料理はどれもマトモだった。北海道の「大手の観光ホテル」で、バイキング料理がマトモなのは珍しい。ちなみに、ここと同じ名前のホテルが定山渓にあって、数年前に登山仲間と一緒に泊まったことがあるけれども、バイキング料理はとても食べ(ら)れたものではなかった。
 私の隣に二人の台湾人が座って食事をしていた。一人は30歳くらい、もう一人は70歳くらいの老人。もちろん、広東語(だと思う)は一言も理解できなかったけれども、大陸中国人のような野卑な語調ではなく、まるで日本語のような雰囲気にも聞こえる穏やかな口調だった。やってきたホテルの従業員が老人のほうに日本語で話しかけた。すると老人は流暢な日本語で返した。どうやら老人は添乗員のようだった。
 台湾の老人、特に高齢の老人たちの多くが日本語を喋れることを忘れていた。台湾に行ったとき、台南市でだっただろうか、法輪功への弾圧に抗議する展示を路上でやっていた老婦人のことを思い出した。法輪功信者に対する拷問写真を路上に数多く掲げていた老婦人は、私たちが日本人であることを知ると、全く素晴らしい日本語で中共の悪逆非道ぶりを説明してくれたものだった。


 春休みだからなのだろう、子供連れの日本人家族も多く泊まっていた。

 泊まった翌日、車を出すために駐車場に向かう坂を歩いていると、前から、品川ナンバーのヴォルボのステーションワゴン(の上級タイプ)がゆっくりと降りてきた。助手席には品のある40歳くらいの女性が笑っていて、後部座席にはメガネをかけた中学生ぐらいの男の子が2人、前に座っている両親と盛んに話をしているようだった。
 春休みに家族揃って北海道をドライブ旅行しているのだろう。こうやって楽しい思い出が積み重なってゆき、それが人生を形作ってゆく。
 そういえば、私も小学生の頃、まだオホーツク海地方に住んでいたころ、家族でこの登別までやってきたことがあったことを思い出した。車ではなくて、列車を乗り継いで。
 前夜、風呂に浸かったままあれこれ楽しそうに話していた父親と息子がいたけれども、50年近く前、私もこの温泉のどこかのホテルに泊まり、湯に浸かりながら父にペチャクチャと話しかけて楽しんでいた、のだろう。
 50年なんて、風のように流れすぎてゆく。


 10時過ぎの列車で新函館北斗に向かう親戚の老夫婦を東室蘭駅で降ろして、札幌に帰る。もちろん高速など使わずに、国道をのんびりと。
 室蘭に来たのは10年ぶりくらいになるだろうか。大学院の学生時代は、ここの急病センターに月に2回くらいアルバイトに来ていた。だから、鳩山由紀夫が医療系のパーティにやってきてセンターの看護婦たちと記念写真を撮ったのを見せてもらったり、実際に、寂れたシャッターだらけの街角で、僅かな老人たちを前にして鳩山由紀夫が街頭演説をしている姿を見たこともあった。
 そんなことを思い出しながら走る。あの頃は、まだ、鳩山由紀夫が「マトモな政治家」だと思っていた。今この男を見れば、誰もが理解できるように、全くの阿呆である。おそらく、昔から阿呆だったのだろう。
 こうして、この歳になってからやっと、馬鹿を見分け阿呆に気づくことができるようになる。若い頃の愚かな誤解に、長く生きていてやっと気づくことになる。

 かつて何度か入ったことのある、国道沿いのレストランは潰れ(洒落た建物である)、その建物は今では福祉施設の団体が使っている。隣にうどん屋を建て、障害のある人たちが勤務している。この日は(というか昨日は)、日曜日だったのでうどん屋はやっていなかった。(月とライオン)
 虎杖浜にある鱒の養殖場に併設されたレストランで鱒料理を食べる。まぁ、レストランと言っても工事現場の飯場のような雰囲気ではあるけれども。
 その後、アヨロ温泉に入る。数年前に建て替えられて、立派な施設になった。源泉掛け流しの素晴らしい温泉。温泉の質としては登別温泉よりも、この虎杖浜の方が私は優れていると思う。
 虎杖浜の海産物屋でタラコなどを買って札幌に戻る。
 途中、苫小牧の市立博物館で、画家の展覧会に立ち寄る。これは偶然。
 苫小牧の博物館は時々美術品も展示することがある。トヨタ自動車所有の絵画展があったり、青森県立美術館の現代美術(という名のゴミ)展示会があった。この日も何かやっているかもしれないと思い、休憩がてら立ち寄ってみると、大友一夫という、4年前に89歳で亡くなった「コラージュ画家」の展覧会をやっていた。




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