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2015年12月14日月曜日

HDの整理 ブルックナー





 一年間の浪人時代、月に一枚ずつLPレコードを買っていた。当時は一枚2800円くらいだっただろうか、小遣いでは一枚買うのがやっと。
 ある日、生協のレコード店で目についたのが、カラヤン指揮ベルリンフィルのブルックナーの4番だった。その頃はブルックナーについては殆ど何も知らなかった。それなのにそのレコードを買ったのは、ジャケットが気に入ったからである。
 家に戻ってLPレコードに針を落とした。
 それまで知っていた・買っていた、ベートーヴェンやモーツァルト、シューマンやメンデルスゾーンの交響曲とは全く違った音楽が流れてきた。
「何なの、これ?」
 というのが最初の印象だった。それでも、そのうち、「何も考えないで」音の流れに浸っていればいい、ということに気づいた。
 ブルックナーの音楽は、最初は(最初から)、私にとっては「快楽」だった。

 ずいぶん昔、大町陽一郎の本を読んだとき、どこかの教会でブルックナーを聴き、彼自身はウンザリ(?)していたけれども、隣に座っていたドイツ人女性が(まさか彼の妻ではないと思うけれども)、頬を上気させて陶然としていた、と記されていた。大町陽一郎はブルックナーの8番も録音しているし、ブルックナー嫌いというわけではなく、ただその時の演奏にウンザリしていたのだろう。教会での音の反響・残響で、ブルックナー休止の意味が理解できた、とか書いてあったと思う。
 私には、頬を上気させて陶然としていたドイツ人女性の気持ちが解るような気がする。
 

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