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2015年5月20日水曜日

洲之内紀行 20日 三重県 虹の泉 三重県立近代美術館

今日は、松阪市にある"虹の泉"と、三重県立美術館に行ってきた。

死ねば、砂となって永遠に消えてということを常に認識しているという点で、バンパイアのほうが、神という妄想にすがる人間とは異なり、真実を生きている。




 この不思議な場所を知ったのは、テレビ番組を偶然見ていてのことである。海外にも、同じように自分の世界をコツコツと外に創り上げていった芸術家がいる。一枚の絵の中に世界を創るか、ひとつの彫像で世界を創るか、あるいはこの2013年に74歳で亡くなった東健次という名の陶芸家のように、広大な敷地に世界を創り上げるかは、芸術家の自由である。
 アールブリュットと捉えられることを望んでいないかもしれないけれども、私に言わせれば、アンリ・ルソーも、ウィリアム・ブレイクも、あるいは……あぁ、作品は頭に浮かぶけれども画家の名前が出てこない。老人化脳の特徴である、名前が出てこないのは。それらの画家も広義では立派なアールブリュットの芸術家たちである。
 ここを管理、というか、まだ製作を続けている夫人と少し話をした。
 東健次は、第一期の青年海外協力隊の隊員として、フィリピンに渡り、そこで現地の人たちに陶芸を教えていたということである。そのとき、聖書に出会った。日本に戻ってきてから、カトリック・プロテスタントのいずれの教会にも属しはしなかったけれども、聖書を愛読し続けたということである。
 それで理解できたことがある。
 フィリピンは、もちろん、カトリックである。長い間スペインの植民地だった。スペイン、そしてメキシコの教会文化、その装飾、彫像を思い出せば、この虹の泉の独特な雰囲気と似通っているものがあることに気付く。
 もっとも、キリスト教をイメージするような、たとえば十字架などは無い。
 無垢な子供、美しい肉体を持った男女、楽器を演奏する多数の彫像、花と樹木、楽園の光景が”実物大”で繰り広げられている夢幻の世界がそこに拡がっている。



 死ぬほど退屈な建物、三重県立美術館。この人物が設計を手掛けたらしいけれども、どれもこれも死ぬほど退屈な建物だと思う。
 美術館って、しかも莫大な金を使う(使うことのできる)県立の美術館の建物が、およそ「美」とはかけ離れた野暮ったい「作品」であることの実例を、この三重の建物に見ることができる。







途中で和食のレストランチェーン店に入ったのだけれども、入口にこんなポスターがあった。
食物連鎖の一番下にいる人間を嘲笑した吉本興業のクズ芸人である。
こんな奴を宣伝に使うこの会社の方針には呆れた。
ので、二度とこのチェーン店には入らないと決めた。

 この日から2日間、南四日市にあるルートインホテルに泊まる。