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2015年5月27日水曜日

洲之内紀行 26日 柳津町立美術館 田子倉湖 トミオカホワイト美術館

26日
 ホテルを出て、柳津町の美術館。
 田子倉湖経由で南魚沼へ、トミオカ美術館。馬鹿な音楽を館内で流している。
 湯沢町まで南下して、健康ランドに泊まる。



田子倉湖


 トミオカホワイト美術館は、本当に呆れた美術館だった。
 もちろん、もう二度と行くことはない。
 富岡惣一郎の作品自体は、優れたものもあると思う。単純な白と青、あるいは黒だけで、山や森や川を幻想的に描いている。しかし、作品をこの美術館(というか体育館のような空間が一つだけ)で観ていると、ずっとドラムと人の歌う声が聞こえた。どこかで学生バンドでも練習しているのか、美術館と音楽のコラボをやっているのかと思っていた、ら、そうではなかった。
 なんでも、2011年に、日本にある外国大使館職員の一行がツアーでここを訪れて、その大使館職員の一人が、富岡のこれらの絵を見て、「ジョンレノンの『イマジン』を連想した」と感想を述べたらしい。
 で、当時の館長で前館長である男が、2011年10月から、この美術館のたった一つのその体育館展示室の中で CDプレーヤーを設置して無限リピートで『イマジン』を流しているのである。
 以後ずっとイマジンを大きな音量で流しているようだ。
 馬鹿、か。
 鑑賞者の一人が『イマジン』を連想するのは勝手である。しかしその一人の感想を、どうして全ての鑑賞者に押し付けるのだろうか。
 私はもちろん、『イマジン』など連想しなかったし、この歌は私にとっては『キリングフィールド』を常に連想させるものだ。
 愚かな前館長は、この曲を流す理由を告知した文章の中に、富岡惣一郎の絵に宗教性を感じ取る人もいるらしいけれどもむしろ神を・天国を否定するこの『イマジン』が似合っているだのなんだのと、勝手な言いぐさをめぐらし、美術館にとっては騒音でしかないこの曲をエンエンと流し続けているのである。
 これほど馬鹿で阿呆な美術館というのは、この南魚沼市にあるここだけで、日本全国を探しても他に無いだろう。
 富岡惣一郎も、自分の絵が、『イマジン』騒音と共に観賞されることなど望んではいなかっただろうに。

 この日、泊まる場所を、美術館の中にあった長椅子に座ったまま、スマホで探し続ける。
 しかし、南魚沼市一帯には、適当なビジネスホテルは全く存在しない。
 仕方なく、更に数十キロ南下して、湯沢町の健康ランドに泊まることにして、騒音トミオカホワイト美術館の駐車場から車を出した。