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2014年9月25日木曜日

KENWOODのステレオを買う

 先日、NHKFMを聴いていたら、チャイコフスキーのピアノトリオが流れてきて(偉大な芸術家の思い出)、これまで何度も聴いたことがあるのに、そしてさして心を動かされたことはなかったのに、何故か今回は心に沁みた。演奏者も聞き逃してしまったほど陶然として聴いてしまった。
 で、チャイコフスキーのボックスセットを注文する。55枚組で1万円ほどの廉価版。
 ピアノトリオをラジカセ並みの小さなプレーヤーで聴いていたのだけれども、こうした室内楽曲の良さを知るためには、大きな音で聴く必要があるのは常識。
 そのとき聴いていたラジカセ並みのCDプレーヤーはスピーカーが10w×2のもの。( KENWOOD CLX30)
 近所のケーズデンキに行き、KENWOODのK531を買う。これはスピーカーが40w×2のもの。これで十分。

 考えてみれば、昔は<交響曲一辺倒>だった。モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームス、ブルックナー、マーラー、などなど。ところが、ふと気づくと、最近は交響曲を聴かないで室内楽曲ばかり聴いている。ラヴェル、フォーレ、ディーリアス、ドビュッシー、などなど。つまり、齢を取ったということなのだろう。きっと、交響曲を聴くにはエネルギーが必要なのである、ちょうど大きなビーフステーキを食べるのに活力と健康が必要なように。

 室内楽曲は繊細な手料理のようなものである。もう、齢を取ると豪華さも脂っこさも栄養も要らない、優しく酔わせてくれる曲を好むようになったのである。
 その、曲の優しさを感じ取るためには、ハイファイシステムが必要であり、ある程度のスピーカーの大きさが必要。
 大型トランク並みの大きさのスピーカーも家にはある。一つ10万円以上はした品物なのだが、こんな大きな音(いくらハイファイサウンドとはいえ)は日常的に聴いている暇などない。だから、ラジカセ並みの出力のもので常時音楽を流していたけれども、あらまぁ、齢を取ると暇になり、大型スピーカーで聞きたい交響曲に興味は失せていて、コンパクトなスピーカーで(けれども音はいい)、室内楽曲を聴く、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番なんかを耳にしながら、ぼーっとしている――それが、老人というものなのだろう。
 先日、<リスボンに誘われて>という映画を観てきたのだけれども、原作では、あの主人公の教師は<56歳>なのである。
 56歳、って、私である。
 56歳が、あんなにも、「老けて」いる映画を見て(もっとも、その56歳が新しい恋をして、新しい人生を始めるのだけれども)、何か茫然自失たる境地に突き落とされた。

 とにかく、KENWOODのK531は素晴らしい。

 後で知ったけれども、ケーズデンキで買うよりも、ヨドバシカメラで買った方が、3000円以上も安かった……、まぁ、欲しいと思ったときにすぐに近くの店で買うことができて良かった。(泣)