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2014年8月4日月曜日

「芸能界を支配するコリアン」に迎合する「学者たち」 古市憲寿

九州大学准教授・南野森
社会学者・古市憲寿
http://lite-ra.com/2014/07/post-297.htmlから引用

リテラ > 芸能・エンタメ > アイドル > アイドルたちが政治的発言連発!
ネトウヨに負けるな! AKB、中居くん、ももクロが政治的発言
 AKB48の内山奈月が先日発売した『憲法主義 条文には書かれていない本質』(PHP研究所)が、現在、品切れ状態になるほどに売れている。
「AKBが憲法本?」「そもそも内山って誰?」とさまざまな疑問が湧いてくるが、本書は“憲法の暗唱”が特技の内山が、九州大学准教授・南野森の講義を受け、憲法の本質に迫るという趣旨のもの。先日、朝日新聞の「天声人語」が本書を絶賛。そこから爆発的に売れているようだ。
 いまは慶應大経済学部に在籍中の内山だが、本書におさめられた南野との講義は2月末に行われたもの。いくら憲法の暗唱が特技でも、女子高生にとって憲法を読み解くのは難しそうに思えるが、南野が「本当に頭のよいお嬢さん」というように、これがなかなか侮れない指摘を繰り出している。
 そのひとつが、いま現在、大きな議論を呼んでいる集団的自衛権の容認をめぐる憲法第9条1項・2項の解釈問題。ご存じの通り、安倍政権はこれまでの「集団的自衛権を認めない」という憲法解釈から「180度の転換」をし、集団的自衛権を容認するという“解釈改憲”を閣議で強行した。こうした解釈改憲に対し、内山は「解釈改憲が手軽に行えるとしても、それを繰り返すことは非常に危険」と論及する。
 さらに内山は、「憲法の価値とは、「誰が草案を書いたのか」とか「草案の素晴らしさ」がそれを決めているのではない」といい、百田尚樹をはじめとする右派たちの“GHQに押しつけられただけでこんなものは憲法ではない”という声を一刀両断。「憲法が「その国に根づいているか」、「安定しているか」、「運用されてきたか」ということが、その憲法の価値を定めているのだ」とまとめている。──歴史と未来を左右する大問題を「最高責任者は私だ」の一言で片づけようとする反知性主義の安倍首相には、ぜひ彼女の爪の垢を煎じて飲ませたいほどである。
 社会や歴史の問題に対して、堂々と自分の意見をもって口にする……本来、こうした態度を示すことは、批評家やコメンテーターと呼ばれる立場の人たちの仕事でもある。だが彼らは、世間からの反感を買うことを恐れて、自身の立場を守ることに気をとられてばかり。むしろ、いまの日本で、バッシングも恐れずに政治発言を果敢に行っているのは、アイドルたちのほうだ。
 その最たる例が、先日、大きな話題を呼んだSMAP・中居正広の発言だろう。6月15日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ)で日韓関係の悪化がテーマに取り上げられた際、司会のダウンタウン・松本人志は「隣国やからしょうがない部分はあると思うよ」「201号室と202号室と住んでたらそりゃ色々あるやんか。壁も薄いし、ね」と当たり障りのない話をしたが、これに対し中居は「謝るところは謝ればいいんじゃないですか?」と切り出したのだ。

 一瞬、スタジオは静まりかえったが、それでも怯まず中居は松本の意見にも「隣同士で喧嘩になったら“騒音がうるさかったね”と、そこは謝ると」とコメント。隣に座る松本は、あたかも中居が空気を読めていないといわんばかりに苦笑いを露骨に浮かべたが、それでも中居は「違うの?」「謝ったら負けとかそういうレベルなんすか?」と引き下がらなかった。そして、「お話すればいいのにね。韓国も日本と仲良くしたほうがいいと思いますよ。(中略)譲り合って、歩み寄ってって、助け合ってって」と語ったのだ。しかし、相変わらず松本や司会の東野幸治は中居に冷ややかな態度のまま。放送後、ネット上では「バカ丸出し」「あっさい知識で語るなよ」などと中居はネトウヨから総攻撃を受けて大炎上した。
 同じように、昨年、ももいろクローバーZと社会学者・古市憲寿が、古市の著書『誰も戦争を教えてくれなかった』(講談社)の巻末で対談を行い、彼女たちは“反戦思想”を明確にしたが(詳しくは過去記事を参照)、この記事に対してもネトウヨが大集合して猛反発。騒動となったことも記憶に新しい。
 そもそも日本では、芸能人が政治的な発言をすると、「タレントのくせに政治の話をするな」という声もあがりやすい。だが、たとえばハリウッドでは、スターが自身の政治思想や主張を隠すことはない。古くは公民権運動やベトナム反戦運動の旗手として活躍したハリウッド俳優が数多くいたし、現在もアンジェリーナ・ジョリーが戦争における女性への性暴力撲滅を訴えたり、ジョージ・クルーニーがダッフール紛争の解決に力を注ぐなど、スターたちがその影響力を自覚した活動を行っている。そうしたことを考えると、日本の「タレントのくせに」という常套句は、芸能に関わる人たちを一段下に見る、過去の差別意識から発せられているものなのだろう。
 このような状況下で、前出の松本と東野はテレビ的な“賢い立ち振る舞い”をしたつもりなのかもしれないが、これはたんに批判を恐れて空気を読むという“迎合主義”“思考停止”でしかない。それにくらべて、中居やももクロは、空気に負けることなく自らの言葉で意見を述べるという、ごくごく真っ当なことをしただけだ。
 弱腰の批評家、コメンテーターや、世間の空気に脅える芸人たちを尻目に、しっかりと地に足を着いた発言を行うアイドルたち。いよいよ日本は冗談抜きで“アイドルの国”になってきているのかもしれない。
(エンジョウトオル)