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2013年7月5日金曜日

The grand Inquisitor's Manual : Jonathan Kirsch



(P96~)
 The official records of the Spanish Inqusition capture the heartbreaking dilemma of accused heretics who sought desperately to confess, if only to spare themselves from torture, but found their offers of a confession rejected. One woman who was being interrogated under torture begged the inqusitors to allow her to confess, but they insisted that she recite the particulars of her wrongdoing in order to corroborate the testimony of the witness against her. Since testimony was always given in secret and withheld from the accused, she could only guess what accusations had been lodged against her. So the woman was reduced to pleading with the inqusitors to reveal what might amount to an acceptable confession-and the notary dutifully took down every word of her plea.
"Señores, why will you not tell me what I have to  say?" the woman cried. "Have I not said that I did it all? I have said that I did all that the witnesses say. Señores, as I have told you, I do not know for certain. I have admitted that what I have done has brought me to this suffering. Release me, for I do not remember it."

 今日、6月30日の札幌は素晴らしい好天――だというのに、家で、暗澹たる気分にさせる本をずっと読んでいた。『大審問官マニュアル』とでも訳せばいいのだろうか、異端狩りの歴史を扱ったKirschの本である。Kirschの視野は、キリスト教異端狩りから、ユダヤ人迫害、現代アメリカ国内の反逆者狩り、そしてアメリカ政府による世界規模のイスラム過激派(要するに自由主義への反逆異端)狩り、にまで及ぶ。
 しかし、今日でやっと半分読み終わったけれども、上に引用したような、陰惨な拷問話が長い、ので、読み進むことが苦痛。だから、休み休み、時々他の本で気分転換を図りながら、少しずつ読んでいる。
 上に引用した女性の話は、本当に悲喜劇である。
 あなたが異端者として審問官に逮捕され、拷問を受けて、犯した異端の悪行の内容を吐け、と責められるとする。しかし、あなたが異端者ではない場合、異端者が何をするのかすら知らない。知らないから、「自白する」ことはできない。審問官は、「抵抗して自白しない」と考え、更に残虐な拷問をする。あなたは、「私に対して密告されたことは全部やったと告白します、やったことの詳しい内容は忘れてしまったのです」と泣き叫ぶしかない。で、審問官は、満足せず(reject)具体的なこと(particulars)を話すまで、もっとヒドイ拷問をする、火炙りになるよりも激しい苦痛を与え続ける。
 一旦、審問官に捕まったら、「自白」するまでは拷問が続く。しかも、単に自白だけではなく、「仲間の名前を言え」ということになり、言わなければ拷問が続くので、家族友人知人の名前を苦しみに紛れて喋る。と、更に家族友人知人が拷問を受け、この連鎖が審問官が満足するまで続く。地獄。

 こんなことが、中世(the Dark Age)では、日常的に繰り広げられていたのである。
 水責め、天井から吊るして石床に落下させる、関節を破壊する、肉体に差し込まれる鉄製器具、rack, などなど、拷問の仕方が詳しく書かれ、火炙りの手順まで事細かに記載されている――のを読んで、晴れやかで楽しい気分になるような読者などいるはずがない。
 火炙りの時に、「不敬な言葉」を発することができないように、どのような処置をとるか、ジョルダーノ・ブルーノの場合は以下のように説明されている。

(P128)